さどうぶ!
※下ネタ注意
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第4話:信号無視

「今朝信号無視してる人がいたのよ」
「信号無視だと、それは許せんな」
「でしょでしょ。こっちが赤信号に従って待ってんのにさ、その横を涼しい顔して通り過ぎていくのよ。もう、イラつくわー」
「ああ、なんだ、横断歩道の信号のことか。それならそんなに怒ることでもないだろう。泉は短気だな」
「短気言うな! ていうか、何の信号だと思ったのよ」
「別に、何とは断定しないが、例えば『近所から毎日のように聞こえる子供の泣き叫ぶ声』とかな」
「信号って危険信号かよ!」
「同じ信号無視でも横断歩道よりは性質が悪いだろう。他にも世の中はいろんな危険信号であふれているからな。だからこそ、常に信号に対して敏感でなければいけないのだ。危険信号を発している人がいても、それに気付けなければ信号無視と変わらない」
「……何かよくわかんないけど、真面目なこと言ってるのかも」
「さすがに限界だからな。ほら、早くも「もう下ネタ無理です」って感じの危険信号が出てただろ」
泉としても、下ネタじゃないに越したことはない。むしろ大歓迎だ。
凍矢は立ち上がった。
「というわけで、訓練だ!」

《もう、あなたとはやっていけない……》
「さあ、どうだ泉」
「普通に危険信号じゃないの? ていうか、何これ」
「訓練だ。次いくぞ」
《今日晩飯いらないから》
「うっ、ちょっと危険な匂いが……」
「そうそう。いい訓練になるだろ。よし、次」
《こまめに消してある着信および発信履歴》
「あー、これは黒だわ」
「さすがの泉でもわかるか。ならこれならどうだ」
《普段何もしない旦那が何の記念日でもないのに突然買ってきてくれたプレゼント》
「うわー、難しい。難しいよー。嬉しいけど……、嬉しいけどね。でも裏がありそうで怖いし」
「ふむ。俺も泉もまだ高校生だからな。もう少し若い例にするか」
《チョークを折る先生》
「うっわ。もう少し怒らせたら今度はチョーク飛んでくるよ」
「俺はすでにチョークキャッチの技を習得しているから問題ないが」
「いや、投げられないように努めなさいよ」
「今は投げ返す練習をしているところだ。では、次」
《あー、昨日全然勉強してないよー。今日のテスト、マジでヤバいかも》
「さあ泉、これはどうだ」
「うーん、テストで悪い点をとるっていう危険信号に見えるけど……」
「ふっ、甘いな。これは危険信号ではない。保険信号だ!」
「ほ、保険信号? って、何それ」
「一見危険信号に思えるが、実は危険はほとんどなく、しかしもしものために一応発する危険信号だ。例えば、これならもしもテストの点が悪くても言い訳ができるというわけだ」
「うーん、まあ、わからなくもないけどさ……」
「じゃあ次」
《今は仕事の方が大事なんだよねー》
「ああ、これは保険信号だわ」
「そうだな。泉もわかってきたじゃないか。ならこれはどうだ?」
《R18》
「これは危険信号でしょ」
「甘いぞ泉。これも保険信号だ。もし十八歳未満が入って、そのことに対して苦情がきても『ちゃんと注意してましたし』と言えるようにするためだけのものだ。実際、高校生くらいなら入っても特に文句は言われないぞ。制服で行きさえしなければな。次」
《あっ、イクッ……、イッちゃうぅ》
「ふざくな! 何てもん見せてくれてんのよ!」
「さあ泉、どうだ」
「どうだって、あんなの信号でも何でもないし!」
「いやいや、立派な保険信号だぞ。イッたように見せるためにAV女優が発する保険信号だ。これを言って後はビクビクしておけば、ほとんどの男は騙せるぞ。同じようなもので」
《あっ、ダメっ、またイッちゃうよ〜》
「というのもあるな。これも当然保険信号だ。男性は一回しかイケないのに対して女性は何回でもイケる、とはいっても、そんな連続でイクことはないからな。イケたとしても、口に出す余裕はないだろう」
「ていうか、結局下ネタに走るのね……」
「他にも似たようなところで」
《中はダメ〜》
「これは難しいな。一見危険信号かと思うが、しかし保険信号だろうな。浅いところで出しても背徳感を――」
「もういいってば!」
《早くも「もう下ネタ無理です」って感じの危険信号が出てただろ》
「お、これはさっきの俺の言葉だな」
「何が危険信号よ。下ネタ全開だったじゃない!」
「いやいや、違うぞ。これは保険信号だ」
「は?」
「これから下ネタのレベルが下がるぞ、ってな」

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